長めの感想を書きます

短めの感想はツイッターでかきます。

「ハイスクール・ハイ・ライフ2」初日公演

 

観てきました!

現在上演中の舞台であり、多くの方に見てほしいので内容へのネタバレは極力避けて感想を書いていきますが、まっさらな状態で観たい方はぜひまっさらで観に行ってください!

ただひとつ言えることは『前作と繋がりはないので2から観ても大丈夫』です◎笑

 

ちょっとだけ前作の話

前作「ハイスクール・ハイ・ライフ」の自分の感想を見たら、あまりに自分に脳がなさすぎて驚きました……よくこれネットに出したな、私……。すみませんでした。

osakanatabetaina.hatenablog.com

でもこの時の「男子高校生の悪ふざけ(褒め言葉)」も「キャスト≒キャラクターが楽しい」も「頭をからっぽにして観たい」も全部、当時の私なりの生の感想で……しかし今作はちょっと違う感想を抱きました。

前作がキャストの味を全面に出したあらごしのジュースだったとしたら、今作は濃縮還元のジュースという感じ。良いところは残しつつ、全部の調和がよりとれていて……私は舞台や演劇のことはわからないので何も詳しく言えないのですが、めちゃくちゃ笑ったのに3回シッカリボロボロ泣いた。

 

笑う!笑う!泣く!笑う!笑う!泣く!

 

ジェットコースターみたいに感情を揺さぶってくるのが谷さんの持ち味……だと私は思ってるのですが、いつもに増してそのキレ味がすごいっていうか(語彙力)。

客席中央くらいで観劇していたのですが、鼻をすする音と笑い声が交互に聞こえてきます。泣いたり笑ったりして情緒がとんでもないことになりながら、でもそれが楽しいし、ハイライでしか味わえないって思って、最高だなって2を観てより強く思いました。

 

前作はどちらかというと「キャストのファン向け」感も強かった気がするんですが、2は本当に誰も何も知らなくても見てるだけで大好きになっちゃうと思うから多くの人に観に行ってほしい

 

90分で「みんな」を好きになる

 

とある男子高が舞台。
高校でも演劇部に入ろうとした3人が、実は廃部寸前だったことを知る。そこで、廃部になった原因を探ろうと決意。しかしそこは、解決するまで何度も繰り返す謎のタイムリープの世界だった。彼らは無事に演劇部を復活させることができるのか――(公式サイトより)

 

演劇部入部を志す新入生三人(えいじ・ひびき・ゆうすけ)は、各々演劇に対して強い思いがあります。夢を抱いて部室の門を叩いたのに……そこにいたのは「演劇なんてカスだ!」と言う3年生の不良先輩たちが。

でも彼らも演劇部に入った以上、夢があって、挫折があって……

ネタバレを控えると言えることは多くないけれど、先輩たちの思いと、新入生三人のまっすぐな気持ちがぶつかるシーンが本当に好きでした。

 

私の目当ては「ゆうすけ」こと野口くんだったので、基本ずっと彼を観ていたはずなのに、帰る頃には全員好きだったし名前を憶えてたのが驚きです。

人生には脇役や引き立て役なんていなくて、全員が全員がむしゃらに生きているんだなと……それこそ1本の桜の木にだって物語があるよねと……。

 

文章にするとありきたりになりますね!

でも「推しがいる舞台」ってどうしても推しの顔がとか、ファンサがとか、処理する情報量が多いと思っています。なんとなく常に気が散っているというか(それも楽しいけれど)。そんな中で世界観に胸がときめき、ストーリーに涙し、胸をうたれる言葉があり、他のキャストさんのこともまるごと好きになれるというのは最高だなと思います。

 

ネタバレなしはこれが限界。

ギャグのオンパレードなのに楽しいだけじゃなかった、なんかそれが一層に良かった。

 

全体的に演技もパワーアップしたなと推しの成長を喜んだりもしたのですが、もう「演技が良くなってて」とか私の口から言うのが高慢に感じるのでやめます(ちょっとだけ言うとすれば演技が前よりずっと自然になっていてもうすっかり役者さんなんだってしみじみしました)

 

前作に引きつづき、彼らと一緒に青春を、そして少し不思議な体験を、一緒に歩んだような気持ちになります。どこかで感じた空気感とか、こんな奴いたかもなっていう親しみとか。観劇後は、懐かしいようなときめくような気持ちになりました。

 

ハイスクール・ハイ・ライフ、本当に大好きです。

 

~本編以外の感想~

◆笑いたいのにむずかしい

前作でも思ったのですが大笑いしたいけど空気の読みあい感がある(客席の中で)~!……含み笑いはそこかしこで聞こえたけれど、舞台までは届いていないかも……!?でも前列のお姉さんが大爆笑してくれて以降、かなり会場全体が「大笑いしやすい雰囲気」になってとってもありがたかったです。私も次回観劇の際は、大爆笑をする勇気が欲しい……

 

◆チェキ撮影

他のお客さんから見える場所でのチェキ撮影ではありますが、お客さんたちもみんなマナーが良くて、とてもなごやかな雰囲気でした。野口くんはステージの上にいたそのままのテンションで接してくれて、優しくて面白くて嬉しかったです。平日ということもあってか時間の余裕もあり、観劇の素敵な思い出になりました!

(チェキを撮る人は終演後に客席で待機!の流れが少しわかりにくかったかも……)

 

※ネタバレあり※「好きならいいじゃん」

 

 

 

ここからはただの感想です。※観劇予定の方は読まないでください※

未だに観劇中にメモを取らないので、セリフが違ったら恥ずかしいのですが、ゆうすけの言葉として語られた「好きならいいじゃん」が凄く響きました。

 

本物の自分語りですが、多忙故に趣味に打ち込む時間が減り、観に行きたかった舞台を何本も見逃したり、なんとなくモチベーションの下がる日々で……私も演劇ではないけれど夢を追う人のひとりで、けれど「やらなきゃ」と「できない」ばかりが積み重なって、好きなことなのにうまく打ち込めない、なんとなく雁字搦めの気分でした。

ハイライもどうせ観に行けないんだろうと思いつつ過ごしていて……でも、なんとか観に行こう、きっと行ったら楽しいからと思い、無理やり会場に駆け込みました。

 

そうして客席について、まず胸を打たれたのがひなたとこうだいの姿でした。

一生懸命頑張っているのに芽が出なくて、自分の一生懸命がわからなくなる。自分の世界で視野狭窄に陥って苦しんでしまう。けれどその頑張っている姿を見ていてくれる人がいたことに背中を押される……人はいつも人と比較して苦しむのに、勇気をくれるのも人なんですよね。あのシーンがとても好きだった。

こうだいくんは作中「才能のある人」として描かれていますが、ひなたにあの言葉をかけられるということは彼にも別の一生懸命や挫折があったのだろうと、現代で「こうだいだけがやる気を取り戻している時間軸」で現れているように感じました……個人的に。役者のこうだいくん、あまりに情報がなさすぎる……すごく良かったです。

 

本当は全部語り尽くしたいのですが、ネタバレどころか「全編」になってしまうのであとは省略します。

ひびきとえいじが仲良しであることの尊さがわかるし、カリスマに見えるちからが踏み間違えた気持ちもわかるし、「胸ぐらをつかまれるのが嫌いなんだ」と言うトシキの気持ちを考えると胸が痛くなるし(最初は笑って見ていたのも相まって)、りゅうととりきの言葉の陰にある努力にははっとさせられたし……とむとじゅんの「ハイライを観て~」からの一続きの語りは苦しくて泣いちゃったな。

 

がむしゃらに頑張ることってキツいことだなって思います。

自分ができないことに落ち込むし、全力で頑張ったら間違ってしまうこともあるし、誰かに追い越されたくないような気がして知らない間に自分が優しくなくなってたり、はたまた「でも私は未経験だからな」で何かを諦めたり。

なんか全部わかるから、とっても苦しくて、でも彼らが出していく答えが私にとってはとても励まされるもので……

 

例のゆうすけの言葉はとくに好きでした。全部なので書きません。

なんか何しててもいろいろ考える。承認欲求も劣等感もあるから、ひびきが言ってたこともよくわかる。でも「好きならいいじゃん」って、私もそうだし、何かを頑張っているひとたちはみんな、最初はそうだったんじゃないかなあと思います。

脇役でもいいから好きなことがしたい、忘れかけていた気持ちを思い出すことが出来て、それがきれいごとじゃなくて「ストンと腑に落ちた感じがする」のは、脚本の力であり演出の力であり役者さんたちの力だと思います。

 

趣味の観劇から離れ、なんとなく自分の夢に立ち向かえなくなり、近ごろナメクジのように生きていたのですが、今回の観劇を通して、また夢に向かう勇気を頂きました。私の中で宝物みたいな舞台になりました。

本当に出会えてよかった舞台です。

 

まあそれでこの舞台の何が特別かって、こんなに感動しているにも関わらず、公演時間の半分以上で笑ってるところだと思うんですけどね……!

言葉で説明できないけど……それに私は舞台のこともわからないけど……。

難しくなくて、しんみりしてなくて、いっぱい笑った楽しかったなって思って帰れるのに、後にしっかり残る宝物がちゃんとある舞台で、少し不思議な感じがします。笑

演じているほうが血のにじむ努力をしてその上で楽しんでいるから「ハイスクール・ハイ・ライフ」は良い舞台なんだと思います。観客をこれでもかというくらい笑顔にしていて、でも、ちゃんと伝わる部分は伝わって、私はたくさん感動しました。

 

うーん、ハイスクール・ハイ・ライフ、好き、ありがとうございます、また行くけど自宅で流したいから配信もあるといいし個人的にはDVDも欲しいな……。